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*R4年度総集編⑤*

2023.03.31 | 日記

総集編・最終回です。

 

まずは、今年度、第2桜に集った子どもたち、保護者の皆様、本当に1年間ありがとうございました。

 

新型コロナウィルスの影響を受けて3年目、今年度はコロナと共にどう生活するかという1年でしたね。

強いられていた我慢から少しづつ開放され、個人個人、各ご家庭が自分で判断しなければならない場面が多かったように思います。

 

幼稚園の生活も、様々な価値観の方が集う中、どんな判断、どんな対策をして、何を我慢し、何を開放していくのかと迷う事が沢山ありました。

しかし、いつも、どんな場面でも、「先生わかったよ」「先生ありがとう」「先生たちも気を付けてね」と背中を押して頂き、見守って頂き、応援した下さったみなさんが保護者で、本当に幸せだなと思っていました。

 

  

とはいえ、コロナになんか負けないぞと、過ごしてきた日々の中で、

「待って待って、何が一番大切?ここは幼稚園、私たちは幼稚園教諭、目の前にいるのは、未来ある子どもたち」という事を改めて感じてきたのです。

子どもたちのすぐ近くにいる保護者の皆様は、様々な職種の方がいますし、それぞれのご事情もあるので、全員が100%満足のいくものを提供するのは難しいと思てきましたが、少し事情を横に置き「大切なお子さんの保護者」という立場だけを見させて頂くと、幼稚園ですべきこと、子どもたちに体験させたい事というのが見えてくるのです。

私たち、幼稚園教諭の原動力・道しるべはここにある、様々な状況に惑わされずに目の前の子どもを大切に見ていこう、そんな風に実感できたのが、このコロナ3年目だったかもしれません。

 

コロナ禍で乳幼児期を過ごしたという事で、不安や心配が多くあり、今も残っていることがあるかもしれません。

でもどうですか?今目の前のお子さんたちの表情や姿は。

 

今回、総集編でも沢山の思いでの写真を載せていますが、子どもたちの楽しそうな表情、楽しさがこみあげてくるような恰好が沢山ですね。

 

ひとつひとつの写真の中に、みんなの沢山の声があって、楽しい、面白い、可愛い、エピソードが詰まっています。

先生たちでは本当によく話すんです。特にこの卒園修了がすんだ3月は、新入園、進級の準備がてんこ盛りなのですが、気付いたら、思い出話に花が咲いちゃってとまらない…。

「だめだダメだ!仕事しよ」と何度も言ってます。

 

 

 

だから私は、コロナ禍の3年間も思い出がいっぱいで、我慢を強いられた、出来ないことがあったという事はそれほど大きな悲しさではありません。

こんな大変な世の中でも、こんなに楽しい思い出が作れた、子どもたちの楽しいおしゃべりを聞けた、けんかもしたり、うまく助けてあげられなかったり、一緒に解決してほっとしたり、この今いる子どもたちとの日々は、やはりどんな時もかけがえのないものだなと。

 

そんな、今年、コロナ禍からの3年間、そしてもう少しコロナが落ち着くまでの期間は、私にとってある意味忘れられない数年間になると思います。

 

 さて、そんな私たちの第2桜幼稚園、この10数年間で、ずいぶん変化してきました。

第2桜幼稚園が異年齢クラス編成の現在のカタチになったのは、2011年度です。

横割りクラス編成最後の年、2011年の卒園児の最後の登園日が東日本大震災の日です。私は年長の担任をしており、最後の横割り保育の子どもを卒園させるという特別な思いでした。白コースさんを帰している時に、地震が起こりましたが、幼稚園は2階で少し揺れを感じた程度。子どもたちが全員帰ってから、先生たちで卒園式の準備を行い、当時は教員も7名ほどしかいなく、準備に時間がかかり、夜に自宅に帰りました。自宅に帰って初めて地震の大きさを知った時の衝撃は、今でも忘れられません。

私は、その次の年からずっと、スライドの1曲目を震災の復興ソング「花は咲く」にしています。今年は、卒園式が3・11の日でしたね。色々な事を考えて、想いをのせながらピアノを弾いている私ですが、未来を担う子どもたちも、どこかでこの曲に出会うだろうと思っています。

 

話が少しそれましたが、今年2022年度は異年齢クラス編成の開始からまる10年を経過しての、また新しい10年のスタートの年だったのです。子どもたちがつないでくれた、人を思いやるきもちが、10年前と比べても園内で沢山見られるようになりました。近年は様々な場面で支援を必要とする子もいます。年下、年上という関係も大切ですが、「出来る人が出来ない人を助ける」「出来ないことを認めてあげる」「出来る自分にも出来ないことがある」というような目線がとても大切な事ですよね。助けてもらった人は、自分のできることでまたそれを誰かに還元していく、そういった営みはとても大切だと思っています。

 

 大人は、こういったことを、意識しなければなかなかできないように思います。様々なストレスの中で生きているので仕方ないかもしれません。

でも、子どもたちはそんなことない。年長さんくらいになると、「そんなの自分で出来なきゃだめよ!」と子ども同士で言っていることもあるので、くすっと笑ってしましますが、自分に出来る出来ない関係なしに「やってあげる!」「私がやるから!」「先生持たないで!」「泣いているからかわいそう」という姿が沢山。

 

しかし、私たち大人は「今は、手伝わなくていいのに」「こっちがやった方が早いのに…」「こぼれそう!壊しそう!失敗しそう!」「その子が泣いているのは、怒られたから!慰めなくてもいい」なんて思ってはいませんか?

いや思いますよね。私も何度息子の夕食づくりの手伝い立候補を断ったことか…。

 

でもふとよく考えると、大変そうだからやってあげる、泣いているから慰める…忖度でもない、媚びているわけでもない子どもの純粋な思いやりは思う存分、沢山の人へ届けてあげるべきなのでしょう。

世の中、全員子どもだったら、戦争も起きないかもしれません。

 

明日から4月、いよいよポプラさんは小学生です。

また新たな世界が広がっていくので、保護者の皆様も楽しみの他、心配・不安がある事でしょう。

小学生になると、ぐっと世界が広がってきます。

 

生活の環境は広がり、遊び中心の生活に学習が入ってきます。しかし、友達との関りなど学習以外の事もなくなるわけではありません。そのうえ、直接は見えない部分が多くなるでしょう。

見えることは大事な事ですが、「どう見てあげるか」を考えていく時期が来ているのだと思います。

 

学童期、思春期に入っていく子どもたちは、無理にこじ開けて見られることは好まないかもしれません。

信用されてないのかな、気持ちをわかってくれてないのかなって思ってしまいますからね。

だから、お子さんのご家庭での表情、しゃべり方、いつもと同じか違うか、寝れているか、食べているか…そんな事から、子どもたちの内面を見れるようにすると良いのかもしれません。

頭ごなしに決めつけるのでなく「なんでなんだろう?」と疑問に思ってあげ、お話したり、観察を続けたり、好きなものを食べさせてあげたり、本を読んであげたりしながら、その瞬間のその子を先入観や偏見を持たずに見れるといいのだと思います。 

 

そして、わからなくなった時、頭がパンクしそうなときには、誰かに話す、ご主人でも、学校の先生でも、習い事の先生でも、お友達でも、おじいちゃんおばあちゃんでも、誰でもいいのです。思いつかなければ、幼稚園にお電話くださっても、もちろんいいですよ!そうやって、周りの大人みんなで、子どもの事を考え、子どもの世界を守って行けたらなと思います。

 

 

時代がめまぐるしく変化しています。消費税がなかったあの時代、家の電話の子機でこそこそ友達とおしゃべりしていたあの時代、スマホなんて最近でポケベルを打ちに公衆電話にならんでいたあの時代。

部活中は水禁止、部活後の水道水がこの世で一番おいしいと思っていた時代も…。

同世代の方はわかるでしょうし、少し若い方は、わからないですね。

おじいちゃんおばあちゃんなんて、私のこの時代すら、新しい時代でしょう。

 

それが今は、小学校1年生から、一人1台パソコンです。学校にもよりますが、4月から使う学校もあります。

私の娘は春から高校生ですが、高校受験の願書提出も私立高校はWeb出願でしたし、入学手続きの一部も、QRコードから入り、マイナンバーカードをスマホにかざす場面もありました。

各家庭でパソコン1台購入のお願いも来ており、授業で自分のパソコンを使用するようです。

ついていくのが必至ですね。

今の子どもたちは、そんな変化の時代を生きていく事になります。

 

変化って大変、苦手な方もいるかもしれません。

子どもたちの中にもまだ、「変化が苦手」な子がいると思います。ただ、皆さんが思うより子どもは柔軟です。

幼稚園で見ていて本当に思います。変化を恐れているのは、実は子どもではなく保護者という場合もあります。

どんなに、叫んでも世の中は変化していくもの。私たちもこの変化に何とかついてきていますから、自信を持ちましょうね。そして、子どもたちの柔軟さを信じて、サポートし、応援していものです。

 相変わらず長く書いてしまいました。お付き合いありがとうございます。

「思いやり」と「変化」のお話でしたが、これは今年度の卒園児から私がたくさんもらったものなんです。

 

導入保育も、説明会も中止になり、初登園日の次の日から2か月も休園したみんな。

初めての経験に、私たちもものすごく戸惑いました。

何か出来ることは、と考えて行った「教材配布」やHPを使用してのお手紙の配信。

変化によって困らされたけれど、パソコン・HP、インターネットがあったからこど出来たことが沢山でした。

 

そして、毎日の様に寄せらる、暖かい声やお手紙

みんな大変なのに、みんながお互いの事を考えているという素敵な経験になっていたと思います。

 

子どもたちはそんな保護者のみなさまの背中を見ていたのではないですか?

卒園のポプラさんはうさぎさんの時から、「舞先生ピアノ弾いてくれてありがとう」と本当によく言ってくれていました。決して担任だったななこ先生・あきほ先生・あすか先生・はるか先生に指導された言ってたわけじゃないんですよ。

「〇〇君、今日わざわざ職員室にお礼言いに来てくれたんだよ~」と私が伝えると「え~!すごい!保育室では大変なのに、そんなことできるんだ~!」なんておしゃべりもよくしました。

それから3年間「ピアノ」はもちろん「お出かけ連れて行ってくれてありがとう」「お祭りしてくれてありがとう」時には、それは舞先生じゃないよ!という事まで沢山の「ありがとう」を言ってもらいました。

 

また、「風邪症状では登園不可」という鼻水の幼児期には非常に厳しい約束で、普段の日はもちろん、行事日でも欠席を余儀なくされる場面が例年より多くありました。

そんな時、当然本人の保護者さんのがっかり感、担任を中心とした園の残念感が勿論のですが、子どもたちも「え、〇〇ちゃん休みなのか…」と口々に言うんです。

ポプラの発表会の練習の時期は、かわるがわる沢山のお休み(お友達も先生も…)でとても残念で大変ではありましたが、休みを終えて出てきたときの「おかえり!待ってた!」は毎日感動的でした。

 

そして、大人の様々な心配をよそに、天真爛漫な姿を毎日見せてくれたみんなです。久しぶりに泊まることとなったお泊り会。担任の先生も含めて初めてばかりで、ドキドキしながら準備していたのにあまりにもいつも通りの皆の姿に、緊張も心配も吹き飛びました。

個人個人は、非常に繊細で、それぞれが様々な悩みを抱え、保護者の方と担任とで様々な連携も図ってきました。しかし、グループとしてまとまると…いざ行事の日になると…明るく元気に楽しくできちゃう。「この学年は本番に強い…!」という話も先生たちと何度もしました。

 

そんな、変化なんかに負けない子どもの強さ、素直に思いあえる素晴らしい優しさ

誰もが持っているその心を、これからもお互いに開きあえる関係を創っていけるといいなと思います。

 

 

30年務めた運転手高橋さん

モンテソーリ教育をスタートしたころに現役として勤めていた、パート歴は約20年のせき子先生。

保護者の方からも、2人への暖かな送り出しの言葉ありがとうございました。

 

お引っ越し等で

今年お別れの、うさぎさん・どんぐりさん、新しい地でも、自分らしく、笑顔で楽しく過ごしてくださいね。

 

そして、進級してまた第2桜で新たな日々を一緒に過ごしていくどんぐりさん・うさぎさん、その保護者の皆様、

どうぞ次の年度もよろしくお願いいたします。

 

何年いても、これまでの子どもたちや保護者の皆さんとも思い出を胸に、

毎年、新しい子どもたちと、新鮮で楽しい毎日を過ごすことが出来て幸せです。

今年1年、本当にありがとうございました。

そして、これからもどうぞよろしくお願いいたします。

 

西野第2桜幼稚園 主任 髙梨 舞

 

 

 

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