理学療法士科
2021.08.03
【理学療法士科】フィジーでの経験…。
こんにちは!
理学療法士科教員の中尾です。
以前の投稿(2021.1.18)で、フィジーでJICAボランティアとして活動をしていたことを書きましたので、今回はフィジーでの貴重な経験を少しお話できればと思います。(日本では経験できないことだらけです!)
フィジーは観光地としてとても有名な国です。フィジーと聞いて、南国の楽園をイメージした方も多いのではないでしょうか?実は2010年に家族でフィジー観光をしたことがあったのですが、その時のフィジーに対する印象は、「裕福そうできれいな街だな〜」っていう感じでした。
それから8年後、フィジーでの活動が始まりますが、「住む」と「観光」ではだいぶ違うということを実感しました。観光では、その国の良い側面しか触れる機会しかありませんでしたが、住んでみると文化の異なる全てのことを受け入れながら生活することになります。
一番不便に感じたのは水でした。。。
フィジーでは浄水設備が不十分であることから、沈殿物で濁っている水道水が蛇口からでるのが当たり前です。飲食店で出される水にはなにかしら浮いています。しかし、南国フィジーで一番お世話になるのもまた水です。暑いですから…。もちろんスーパーで水を買うことができれば、何も言うことはありませんが、毎回水を買うとなると出費も痛く…
そこで役に立ったのが浄水器です。
手順は、
①浄水器を使用して水を濾過
②トリハロメタンや残留塩素を除去するために煮沸
③冷蔵庫で冷やして完成
この作業をしなければ水がなくなるので、仕事から帰宅後に水を作ることが日課となっていました。
次に動物たちです。
フィジーは野犬がとても多い国です。今でこそ日本ではあまり野犬をみることはなくなりましたが、少し前の日本のように公園や町中に犬がいることはフィジーでは当たり前です。日本と違うのは、彼らの凶暴性です。フィジーにいる犬たちは凶暴で、隙あらば襲ってきます。ランニング中に何度数十匹の犬に囲まれたことか…。通勤中にも危険なエリアがあり、そこを通るときは事前に小石を拾ってポケットにいれておきます。幸いにも私は犬に噛まれることはありませんでしたが、日本からきた他のボランティアは犬に噛まれることが何回もありました。
フィジーへ行く際には野犬に要注意!!
写真はスーパーの駐車場にたむろしている野犬
また、フィジーでは草木などの自然を日本よりも身近に感じることができます。
草木で思い浮かぶものといえば…そうです、虫ですね。めちゃくちゃ虫が多いんです。
一晩でこんなに虫に刺されることありますか?
最後は食に関してですが、一番衝撃的だった出来事があります。
12月25日のクリスマスの日でした。いつものように仕事が終わり町中のバス停に到着すると、生きたヤギが売られていました
クリスマスの翌日には、家の前に堂々と頭蓋骨や大腿骨などが捨てられています。
もちろん私達が普段食べているお肉も元々は生きていたものですからなんら不思議はないことなのですが、日本では加工されて並べられたお肉しか見る機会がありませんよね。「命を頂く」という観点でいけば、日本に住んでいるときよりもダイレクトに感じられた一方で、日本にいるとそのような意識が芽生えにくい側面があるとも感じました。食事をする際の定型句である「いただきます」は、日本にしかない文化ですが、誰に対して、どのようなことに対して、「いただきます」なのでしょうか?考える良いきっかけとなったことを今でも強く覚えています。
伝えたいことはまだまだありますが、今回はこの辺で。
最後になりますが、フィジーで理学療法士として活動した経験を論文にまとめました。英語ではありますが、興味がある方はぜひご一読してみてください♪
「The work of a Japan International Cooperation Agency volunteer as a physiotherapist in Fiji」
最後まで読んで頂きありがとうございました☺